事業を通じて世に益する働きをしたい、というのは創業者である父から承継した理念です。
「すべての人が幸せに暮らし、地球の恵みを未来まで繋ぎ守る」というSDGsの考えにも通じるこの理念は、(株)大通の経営方針の根底に流れています。
学生時代に英語を勉強していた私は、少なからず海外にも縁がありました。外から見る日本は豊かで美しく、人々も思慮深く心優しいのです。それをずっと誇りに思ってきました。素晴らしい伝統や文化は決して絶やすことなく、若い世代にも広く伝え未来に残すべきだと思っています。年を重ねるごとにその思いはいっそう強くなり、形に残すために「本」にするのはどうかと考えたのです。本ならば後世に残り、(株)大通の従来業務である印刷との親和性もあります。
また昨今パソコンの普及で創作活動が身近になり、自分の世界観を上手に表現できる人が多く育っています。才能ある作家さんを見つけ出し応援することができたなら、それは私の喜びであり、使命でもあるのではないかと感じています。
日本の伝統・文化を発信する傍ら、埋もれるスターを発掘したいという願いを込めて「スター出版」を立ち上げたのです。
大江 美佐
美術印刷・商業印刷を手がける株式会社大通の創業者、大江勝博の娘として1965年大阪に生まれ、幼いころから紙と活字に親しむ。同志社女子大学 学芸学部 英文学科 卒。
2012年7月、大通2代目社長を承継。従来の事業に加えて新しい分野の開拓にも尽力し、印刷業とのシナジー効果が期待できる出版業に着目。埋もれるスター人材の発掘をめざして「スター出版」と命名する。